にもかかわらず

ゴビ「博士、すみませんが単3電池ないですか?」
博士「うん、たしかココにあったはずじゃが、あったあった。ほれ。」
ゴビ「ありがとうございます。あれ、これパナソニックの電池じゃないですか。博士、上等な電池つかってますね。」
博士「いや、たまたまじゃよ。いつもはダイソーの電池つかっているんじゃよ。ところでその電池、何に使うんじゃい?」
ゴビ「あっ、そうだった。今日陽気ぐらし講座に行って来て、お話をICレコーダーで録音してたんです。それで博士にも聞かせてあげようと思って持ってきたら電池がなくなってて。」
博士「それはゴビちゃん、わざわざありがとう。」
ゴビ「しかし、電池って不思議ですな、こんな小さい物の中に電気がつめこんであるんだもんな~」
博士「まあ、確かにすごいが、じゃが、その中に電気が入っているわけじゃないんだよ。」
ゴビ「えっ、そうなんですか?!」
博士「マンガン電池、アルカリ電池などの乾電池は、正極(+)と負極(-)の反応物質がそれぞれの電極で化学反応を行い、その発生する化学エネルギーを電気エネルギーに変えて、電流として外部へ出しているんだよ。」
ゴビ「それじゃあ、あの中で発電しているってこと?」
博士「まあそれに近いとこじゃな。ところで、陽気ぐらし講座のお話はどうじゃった?」
ゴビ「はい、いいお話でした。でも、講師の先生がお話の中で、あなたの好きな言葉はなんですかって急に聞かれまして出てこなくて、困ったことがあったんですよ。先生は好きな言葉とかあります?」
博士「そうじゃな。いろいろあるが『にもかかわらず』なんて好きだな。」
ゴビ「(ズコ)博士、それって接続語じゃないですか!」
博士「そうじゃよ。借金があるにもかかわらず晴れ晴れしている。努力が報われないにもかかわらずいそいそしている。人に笑われそしられているにもかかわらずニコニコしている。」
ゴビ「ん?博士、なんかいいですね。」
博士「無理いわれているにもかかわらず…、身体が良くないにもかかわらず…、亡くなったにもかかわらず…」
ゴビ「はかせ『にもかかわらず』って大事な言葉なんですか?」
博士「そうとも。『にもかかわらず』が続いていくところに人生の躍進があるんだよ。困難とは機会であり、躍進を促さんがために、神様は困難をお与え下さっているんだよ。病気をたすけ、幸福を授けてくれる神様だけが有難いわけじゃないんだな。」
ゴビ「本当だ。本当だ。不断の成人をお与え下さる親神様ありがとう。」