水の守護
博士「あれ、ゴビちゃん。かっこいいキーホルダー付けているじゃないか。」
ゴビ「あっ、これの事ですか。友達が海外旅行へ行って、お土産でもらったんです。ピサの斜塔キーホルダーです。」
博士「ピサの斜塔というとイタリアへ行ってこられたのかい。」
ゴビ「そうなんです。でもその友達、初日イタリアで水を飲んだだけで下痢になったそうです。何でもあっちの方は水が硬水で、日本人には合わない人もいるみたいで。」
博士「ほう、そうじゃったのか。」
ゴビ「しかし博士、水って液体なのにどうして硬いとか軟らかいとかあるんですか?」
博士「軟水硬水というのは、水の中に含まれている成分の違いなんじゃ。カルシウムやマグネシウムを多く含んでいるものを硬水といい、少ないものを軟水と言うんじゃ。」
ゴビ「なるほど。でも硬水ってミネラルを多く含んでいるなら体には良さそうな気がするけど。」
博士「和食には軟水が合うみたいじゃが、洋風なだしとか、しゃぶしゃぶなどの鍋、肉料理には硬水が向いているみたいじゃな。コーヒーは硬水でいれると味がまろやかになり、軟水でいれると苦みや風味が引立つそうじゃよ。」
ゴビ「なるほど。しかし博士、人間って料理一つとってみても水が無いと何も出来ませんよね。」
博士「そうなんじゃ。火と水とが一の神というように、我々は、水の御守護が無くては生きていくことは出来ないんだよね。」
ゴビ「しかし、日本や世界を見ても、大雨、大洪水、干ばつ、砂漠化など、水って恐いものでもありますよね。」
博士「その通りなんじゃ。我々は、親神様より円満な水の御守護を頂かなくてはいけないんじゃな。その為には、水の御守護を頂きやすい心遣いを日々使わなくてはいけないんと思うんだ。」
ゴビ「水の御守護を頂きやすい心遣いってあるんですか?」
博士「飲んだ水は、人体を潤すだけじゃなく、体を代謝し、排泄される。また、洗濯にしても、水は、汚い物を洗って排泄される。つまり水とは物の汚れを除き、自分は汚れて消えていくものだよね。」
ゴビ「ふむふむ」
博士「だから、我々人間が人のほこりを我が身にかぶって、人をきれいにし、自分は汚れて流されていこうという心になれば…」
ゴビ「地上は円満な水の守護を頂けるということですね。」
博士「ところが逆に、自分はきれいで他人はきたない。自分の汚れは他人に洗わせようという心で暮らしていると、水の御守護は消えていくと思うんじゃ。」
ゴビ「う~ん。って事は、人の不名誉を我が不名誉として通る。自分の名誉は人の名誉にして通る。つまり高慢の心は払うところに、水の御守護は頂けるってことかな?」
博士「さすがゴビちゃん。目の付けどころが眉毛の下だね。あは。あは。」
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