神様の好きな物
ゴビ「博士。今日は博士にもたぶん分からない質問をもって来ましたよ。」
博士「おいおい、ゴビちゃん、わしだって世の中で分からない事はたくさんあるんじゃよ。」
ゴビ「でも、大概の事は答えられるじゃないですすか。」
博士「ふむ、たまたまじゃと思うんじゃがな~」
ゴビ「それでは質問です。世界で一番硬い食べ物は何でしょう?」
博士「ゴビちゃん。残念じゃが、その答えは知ってるよ。」
ゴビ「えっ!マジですか?」
博士「カツオブシじゃろ。」
ゴビ「せっ、正解です。ガックリ。博士にはかなわないな~」
博士「いやいや、たまたまじゃよ。」
ゴビ「しかし博士、目には青葉 山ほととぎす 初鰹って詩があるくらいなんで、そろそろ鰹の旬ですね。」
博士「そうだね。しかし鰹には二回旬があるんじゃよ。初鰹と戻り鰹といってな。」
ゴビ「えっ、そうなんですか?」
博士「赤道付近で産卵した鰹は、えさを求めて北上するんじゃ。それが初夏の初鰹じゃな。対して、産卵後、産卵すべく南下した戻り鰹も脂がのってておいしいんじゃよ。秋の9~10月ころかな」
ゴビ「で、どっちがおいしいんですか?」
博士「まあ、これは好みとしか言えないね。」
ゴビ「ところで博士。神様に神饌物をお供えしますけど、やっぱり旬のものの方がよろしいんですか?」
博士「そうだとも言えるし、そうじゃないとも言えるな。」
ゴビ「どういうことですか?」
博士「神様の大好物であれば旬に限ったことじゃないな。」
ゴビ「えっ、神様にも大好物があるんですか?」
博士「そう、神様の好きな物といえば『誠』より他にないんだよ。」
ゴビ「なるほど」
博士「品物に添うている心が誠でなければならないんじゃ。是非、旬のものを神様にという誠があれば、神様は大変におよろこび下さるんだよ。」
ゴビ「やっぱり、思った通りだ。」
博士「教祖御在世中の話じゃが、ある京都の人が教祖に手洗桶を持って来られたことがあったんじゃが、それがいつまでも軒につるされていて、どうしても教祖はお使いにならない。でその訳を調べてみると、差し上げた人がその代金を踏み倒しておったことが分かったそうじゃ。」
ゴビ「そうですね。神様は見抜き見通しだから、お供物に誠の心の理が添ってなければ受け取っていただけないですね。ということは、誠の心さえあれば神様は何で受け取って頂けるってことか!」
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