放心状態

 先日朝山分教会へ助手席に次女(四ヶ月)を乗せ向かっておりました。少し狭い道をこちらは直進で進んでいましたが、右から一時停止を止まらず軽自動車がびゅんっと出てきました。咄嗟に助手席の娘を左手で押さえ「あ、もう絶対ぶつかった!!」と思い切り急ブレーキをかけ、本当にすれすれの所でお互い止まることができました。少し放心状態でしたが、(相手の方も固まっているような感じでした。)ぶつからずに良かった~と胸をなでおろしまた車を走らせました。
 こういうことで日々の心づかいを反省させられるわと思いながら、どうせお互い止まったのならばお道のパンフレットでも相手の人に渡せば良かった、そしたらこんな状況だし必ずもらってくれるし、絶対読んでくれたはずなのになどとぶつぶつ呟きながら昔のことを思い出しました。まだ独身時代ワゴン車に乗って信号待ちをしていると、後ろから真っ黒い立派なベンツに追突されました。こちらは後ろがへこみましたが相手はさすがベンツ、なんともありません。降りてきたのは綺麗な若いママさんという感じの方です。
 その後その人はいわゆる{組長の奥さん}で{アネサン}と呼ばれている方だということが分かりました。私は何も悪くないのに父親には「お前の心づかいが悪いから交通事故に巻き込まれるのだ」とお仕込みされ、相手の下の組の組長さんがなんだかんだと出てこられ踏んだり蹴ったりでしたが、最終的にその{アネサン}は大きな大きな果物の詰め合わせを持って、教会までお見舞いに来てくださいました。
 母はそれを見て「うちの娘は大丈夫だから、この果物はお宅の子供さんに持って帰ってあげなさい。」と言いお茶を出し、父が「ぶつかってもらおうと思ってその場にいたのではなく、ぶつけようと思ってぶつけたのではない。全ては親神様のお計らいで日ごろの心遣いをこういう形でお知らせ下さっています。また大難は小難に収めて頂いた事をお互い喜びましょう。」「車を直してもらいありがとうございました。」というような話をして母がパンフレットを渡すと{アネサン}は「私も心を入れ替えて過ごします。」ともらってくださいました。
 良いと思って進んでいても、何か神様の目から見れば違っていて教えてもらわなければ分からない事があり、また一つ一つのご縁も大切にしていかないといけないと改めて感じた出来事でした。