成人さして頂こう

クマ「博士、待てば海路の日和あり、待つことって大切なんですよね?」
博士「うむ、状況が悪くとも、あせらずに待っていれば幸運はそのうちにやってくるということじゃな」
クマ「待ち遠しいな~」
博士「クマモン、一体なにがそんなに待ち遠しいんだね?」
クマ「はい、博士、良く聞いて下さいました。実は月末にはじめてアルバイトのお給料をいただくんです。それが待ちきれなくて。」
博士「なるほど。それは楽しみだね。」
クマ「はい、買いたいものがあるので」
博士「しかし、月末までは半月以上あるぞ。」
クマ「そうなんです。トホホ。博士、待つってつらいですね…」
博士「ところでクマモン。神様も常々待ち遠しく思っておられるものがあるんだけど何だと思う?」
クマ「えっ、神様が待ち遠しく?えっと、えっと」
博士「子供の成人だよ」
クマ「あっ、そうだ。子供の成人か。ところで博士。お道でよく聞く成人ってつまりは何ですか?」
博士「成人とは心が大人になることを仰せられているんだよ。」
クマ「心が大人か!」
博士「それじゃあクマモン、大人と子供の違いって何が分かるかな?」
クマ「えっと、子供の好きなものはアニメとかチョコレートとかだから…」
博士「いいかいクマモン、貰って喜ぶのが子供で、与えて喜ぶのが大人ってことなんだ。」
クマ「なるへそ。そういう分け方ね!」
博士「掘り下げて言うと、助けて貰いたいと願う間は子供なんだよ。助けて助かった姿を見て喜ぶのが大人なんだね。」
クマ「はい分かりました。」
博士「教典の中に教祖の御苦労が描かれてある『親子三人で食べるに米のない日々を過ごされた~中略~かかる中にも人の難儀を見ては、やっと手にした米を何の惜気もなく施された』とあるんだ。」
クマ「博士、もしかしてだけど、博士のいいたいことは『わかるようむねのうちよりしやんせよ 人たすけたらさがみたすかる』ってことですか?」
博士「クマモン、まさにその通りだよ。」
クマ「お給料もだけど、神様のために僕も速く成人の道をいそがなくっちゃ。」