阿呆に手柄
ゴビ「博士、とうとう今年もまた、新たな初春を迎える時期となりましたね。今年も一年お世話になりました。」
博士「いや、ゴビちゃん、こちらこそ。また、来年もよろしく頼むよ。」
ゴビ「ところで博士、春は曙っていいますけど、この曙って夜明けという意味でしょう。」
博士「そうじゃよ。それがどうしたんじゃ?」
ゴビ「それから、よく成功した暁にはなんて、物事が実現した時の意味で用いられるこの暁っていうのも夜明けのことでしょう?」
博士「まあ、そうじゃな~」
ゴビ「それでは、一体この曙と暁はどっちが早い時のことを言うんですか?」
博士「うん、暁の語源は、『明か』と『とき』で、夜が明けるときという意味である。対して、曙は『明け』と『ぼの』で、夜がほのぼのと明ける様子を表しているじゃが、早いのはどちらかと言えば、暁の方なんじゃな。」
ゴビ「そうなんですか?」
博士「時刻で言うと、暁は午前三時から五時くらいまでのことで、厳密にいえば夜明けの少し前あたりのことを言うんだ。曙は暁の終わりごろであるといえるんだ。」
ゴビ「なるほど。いや~博士は本当、日夜勉強をしておられるからホント物知りだな。」
博士「まあ勉学そうじゃが、合わせて阿呆になる勉強も毎日しておるんじゃよ~」
ゴビ「えっ、アホになる勉強…教祖が言われるあほうのことですか?」
博士「その通り。」
ゴビ「それってどんな勉強なんですか?」
博士「それはね、意地を通さない。強情を張らない。執着心を捨てる。こういった勉強じゃな。つまり、親の言う通り素直にならせて頂く。これが阿呆なる勉強。阿呆になる修行なんだ。」
ゴビ「な~るほど」
博士「阿呆ということは愛らしい心じゃなくちゃいかんのじゃ。子供が母にたわむれるように、理の親に対しても無抵抗の精神になり、をやがするがままに、すべてを任せきってしまう。」
ゴビ「何でも神様の思惑通りに、道の親の言われる通りにってことですね。」
博士「そう。親神様は阿呆に手柄さすと仰せになっておられるんじゃ。」
ゴビ「阿呆に手柄ですか」
博士「この精神になると、ほこりもいんねんも親不孝も、半生かかって積んできたつまらんことも、ものの悩みもすべてなくなってしまうんじゃな。こうなると、神様にとってみても捨てておけない。かわいくてたまらないってことになるんじゃよ。」
ゴビ「つまり、そうなると神様の絶大なるご守護を頂けるってことですね。」
博士「その通りじゃよ。」
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