勤め方
博士「おお、ゴビちゃん。この間の学芸会の役の演技。実にすばらしかったよ。」
ゴビ「えっ!博士、見に来ていたんですか?!」
博士「たまたま、学校の前を通りかかったら、カンバンが出てたんでね。後ろの席でこっそり見て居ったのじゃ。」
ゴビ「そんな、博士。水くさいな~。一言声をかけてくれたらいいのに~」
博士「すまんな~、次の用があったもんで。しかし、ゴビちゃんにあんな演技力があったとはな~」
ゴビ「いや、最初は、やる気が無かったんです。嫌々引き受けたんですけど、僕に当てられたアントニオという役は、案外、僕の人柄や考え方と重なるところが随所に出ていて、人ごとに思えなくて、つい役になりきって、自分の事の様に演技してしまったんです。」
博士「ほっほ~。役柄がゴビちゃんと似てたのか。しかし、なかなかの難役を上手にこなせていたよ。」
ゴビ「ありがとうございます。」
博士「なるほど、嫌々ではなく、自分の事の様にか。」
ゴビ「はい、博士。」
博士「会社勤めでも、好きじゃないけど生活のためと思ってやってる人は、仕事を人の事と思ってやっているから、言われた事を人並みにする。時間が来たらさっさと帰ると、おざなりの勤め方になってしまう。」
ゴビ「そうですね。」
博士「仕事を天職のように感じている人には、人に言われなくても一生懸命に奔走するよね。」
ゴビ「博士、これは信仰にも当てはまりますね。」
博士「いかにも。教会の御用にしても、これを教会のためと思って勤めている人は、どうなるかな?」
ゴビ「そうですね。やはりおざなりな勤め方になってしまいますね。」
博士「そう。しかし、自分のこととして勤める人はどうなる?」
ゴビ「これは、自分の幸せを築くためと、勇んだ勤め方となりますね。心組みがまるで変わってきますね。」
博士「そんなんじゃ。『人のことと思えば人のことになる。わがことと思えばわがことになる』ってことじゃな。」
ゴビ「天理教の教えも、教会から言われたからすると言う受け身の姿勢である間は、信仰がわがこととなっていないってことですか?」
博士「その通りだね。やはり、心一つで、私達の勤め方は変わって来て、それによって、私達の運命を大きく変わって来ると言うことだね。」
ゴビ「ところで博士。実は、この前の演技が多少評価されて、次は、悪代官の役を言われてるんですけど、この役に徹する方法はありますか?」
博士「う~ん。その質問は専門外だな~」
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