父の出直し
気温も上がってきて、いよいよ畑も忙しくなってきて、そんな事を書こうと考えていましたが、父親が出直しましたので、やっぱりその事を、今思う事を書いておこうと思います。
まずは、父の出直しに際し、ご心配をおかけし、そして大変お世話になりました。ありがとうございました。
五月九日の三時前に「成相さん、奥さんがすぐに連絡くださいって、会社に電話があったんで、して来てください。」と言われ、何となくお父さんの事かな?と思って彩子に電話すると、やっぱりそうでした。この日は小学校が振替え休日で、子供3人がバラバラの所にいたので、それぞれの場所で3人を拾って病院へ駆け付けました。お蔭様で看取ることが出来ました。会社を出たのが3時で、自転車で帰って、3人拾ってからなので今考えるとよく間に合ったと思います。残念ながらお兄ちゃんはいませんでしたが、進がいてくれたので、教会に帰るのもすんなりいきました。その後は物事に動じず、淡々と勧める兄に、頼りになるお義姉さんのお陰で、初めての事ばかりでしたが、スムーズに行ったのではないのでしょうか。
そして父に対しては、やっぱりお父さんは偉かったなぁ、と思うのです。
棺桶の中に何を入れるか話をしていると里ちゃんが、「お父ちゃんに手紙を書こう」と言い出し、結局は里ちゃんしか書かなかったのですが、その手紙の冒頭が、『お父ちゃん、お母ちゃんと結婚してくれて、島根に来てくれて、平田に来てくれて、万田に来てくれて、ありがとう。』という書き出しでした。九州で生まれ育った五人兄弟の末っ子が、島根で教会長を務めた。この一点だけ見てもスゴイなぁと思いますし、僕にはまねできません。僕の、父に対する後悔の一つが、父の偉大さを感じるようになったのが、交通事故を起こした後からというところです。当たり前に僕らの父親であり、当たり前に島根で教会長をしていた。なかなか当たり前に感謝できないもので、身上を貰ってからそのありがたさに気付きました。
「お父さんごめんなさい!」
そしてもう一つ後悔を挙げると、病院でも、出棺のときも、火葬のときでも、お父さんに向かって声を出して「ありがとう」と言えなかった事です。言いたくても周りに人がいると、恥ずかしくて言えないんですよねぇ。ゆかりを高速バスの待合所に送るときにこの話をすると、「いいわねぇ、心の中で思っとけば」と言ってくれましたが、やはり心残りなので、償いの意味もこめて、紙面上ですが、
「お父さん、本当にありがとう。おつかれさまでした。」
さぁ~て、次回は『昭二の失敗しない夏野菜の作り方』をお届けしたいと思います!
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