腹立ち

ゴビ「博士、親神様は人々が陽気ぐらしをするのをみて共に楽しもうという目的で人間をおつくりくださったんですよね。でも人間同士が陽気ぐらしするためには短気はいけないと思うんですが」
博士「う~ん、ゴビちゃんの言う通りだね」
ゴビ「そこでなんですが、腹を立てなくするコツってあります?」
博士「なるほど、どうしたら腹をたてなくなるか。腹の立つようなことでも、思い直し、見直したら結構と喜べるようになるもんだよ。」
ゴビ「そんなもんですか~」
博士「例えば人からばかと言われる。だからというて腹を立てて喧嘩をする人がある。一方で、人からばかと言われる。おれは相当な者と思ったのにばかなのかなあ、それでは偉くなるために努力しよう。少なくとも人の一倍半ぐらいは働かねばと、その言葉を受けて大いに勉強する。勤めただけは進歩する。ばかの言葉が私を進歩させてくれてありがたいと喜べば腹は立たないよね。」
ゴビ「ふむふむ」
博士「受け取り方によっては、どんなものも腹が立たず、むしろ自分を美しく建設する糧となるのである。見直し、思い直し、受け取り直しによって、人の腹は立たないのだよ。」
ゴビ「見直し、思い直し、受け取り直しですか」
博士「大きな人物には少々のことは響かない。大抵のことが、おかしく面白く感じられるものであるんだよ。」
ゴビ「じゃあ、博士もその類ですか?」
博士「もちろんだよ。ところでゴビちゃん、大空は決して腹を立てないよね?」
ゴビ「博士、大空だって腹を立てますよ。だって嵐は吹けば、大風だって、大雨だって吹き荒れますよ」
博士「大空に嵐が吹き荒れていても、嵐の上は晴れているもんだよ。」
ゴビ「な~るほど~」
博士「大空のような壮大な心持ちになることが大事なんだよ、ゴビちゃん。」
ゴビ「博士、分かりました。僕も大きな心になれる様がんばります。まずは僕のふるさとの宍道湖ぐらいの大きさの心になれるようがんばりま~す」