自分からするのと人から言われてするの

ゴビ「博士~助けて下さ~い」
博士「どうしたんだ、ゴビちゃん。そんなにあわてて。」
ゴビ「実は、さっき近所のチビッコに、朝、起こされるのと人を起こすのでは理が違うというけど、どう違うのかって質問されたんです。な~んだ、そんなことかと思って返答しようと思ったら答えが出てこないんです。」
博士「それで、そんなに大慌てで来たのか。」
ゴビ「そうなんです」
博士「そんな事で困るとは、ゴビちゃんも勉強不足じゃな~」
ゴビ「・・・」
博士「それではゴビちゃんにヒントを上げよう。ところで、ゴビちゃんえらい汗をかいてるけど、どうしてだろう?」
ゴビ「そりゃあ博士、今、走って来たからですよ。」
博士「ふむふむ、それじゃ今、体はどんな感じじゃ?」
ゴビ「汗が出るくらいなんで暑いですね。」
博士「そう。今日みたいな寒い日であっても、しばらく走ったり、はたまた、スケートやスキーなんかした後でも、しばらくは体はあったかいよね。」
ゴビ「そうですけど、それが答えと関係あるんですか?」
博士「先をあせりなさんな。つまり、体を動かして出た暖かさは、内から湧いてきた暖かさなんだね。これなら長持ちするし、気持ちの良いものなんだな。」
ゴビ「ふむふむ」
博士「対して、ストーブなど暖房設備のある部屋にいる人は暖かいけどこれは外から付けられた暖かさ、どんな寒い日でも部屋は暖かいけど、一歩部屋の外へ出るとどうなる?」
ゴビ「う~ん。瞬間に寒くなりますね。」
博士「これと同じように、一つの仕事をするにも、自分からするのと、人から言われてするのとは大きな相違があるんだよ。」
ゴビ「ふむふむ」
博士「また、人生の悟りにしても、人から言われて、なるほどと悟るとか反省するのは、外から付けられたものだよね。これも結構なんだが、自分自ら悟り、反省すること、それはつまり内から自然にした事は、得心づくだから、さらに、つらいことでも喜べるものなんだよ。」
ゴビ「博士。なんか、答えが見えてきた気がします。ところで博士、話は変わるですが、さっき慌てて来たときに、つまずいて尻もちついちゃって、おしりが痛い。なんか2つに割れちゃったみたいで…」
博士「心配ない。人間のおしりはもともと2つに割れているものだよ…おっと、ゴビちゃんは人間じゃないから、おしりが割れてたらこりゃぁ大変だぁ!!」