呼吸のお働き

ゴビ「博士~、笑わないで聞いてくれます?」
博士「どうしたんだい?」
ゴビ「実は、ここに来る途中、庭先からグーグーいびきが聞こえてきたんです。」
博士「ほう。庭先から。」
ゴビ「そうなんです。夏ならともかく、こんな寒い日に、庭で寝るおっさんってどんな人かなと少しのぞいてみたら」
博士「ほう。」
ゴビ「犬がいびきをかいて寝ていたんです。犬もいびきをかくんですね。(笑)」
博士「年をとると気道が狭くなりいびきをかく犬もいるそうだよ。」
ゴビ「そうなんですか。ところで、いびきって気道がせまくなる事が原因なんですか?」
博士「そうだよ。睡眠中は筋肉が緩み、空気の通り道であるのども緩むことで狭くなり、のどの粘膜が振動して音が出すんだよ。」
ゴビ「それがいびきなんですか。」
博士「特に仰向けに寝ると重力により、舌根・首の筋肉・扁桃が垂れ下がり気道を狭くしてしまうことがあるんだ。」
ゴビ「そういえば、いびきをかいている途中に急に静かになったりしますね。」
博士「気道が閉塞すると、呼吸が止まるんだ。それを睡眠時無呼吸症というんだけど、無呼吸・低呼吸が繰り返されるってことなので、多い人は気をつけないといけないね。」
ゴビ「ちなみに、いびきをかきやすい人ってどんな人ですか?」
博士「そうだね。肥満体型の人。あと喫煙や寝酒、鼻炎もいびきの原因になるよ。」
ゴビ「しかし、神様は、寝ている間でも休みなく呼吸のお働きをして頂いているこてゃ、考えてみると本当にありがたいですね。」
博士「その通りじゃ。どんな重病人でも息のある間は大丈夫。息を引きとることは、つまり呼吸が止まること、生命がなくなること。それほど息とは重要なことだよね。」
ゴビ「ほんと何気なしにしていることですけどね。」
博士「自分でしている呼吸であるならば死ぬ人はいないよね。自分の勝手にならない呼吸が、自分の知らない時でも、規則正しく続くってことは、誠に不思議と申すしかないね。」
ゴビ「単なる生理現象と評するわけにはいきませんよね。厳粛な現実であり、真理であるといえる。」
博士「命あっての物種と言うように、一番大切なのは命であって、やはり、本当のところ命とは、物や金で守り尽せるものじゃないよね。」
ゴビ「ところで博士、人間は一日に何回呼吸をするんですか?」
博士「それは、体の大きさなどにより一概にはいえないが、普通の成人なら一七二八〇回から二八八〇〇回くらいじゃろう。一日にこれだけの、つく息引く息の御守護を頂いているんだね。」