遺伝

 ヒナが歩くようになったと喜んでたら、これが大変だ。色々と勝手に動き廻るし、ダッコしたら歩きたいからって怒るし、参拝してたら、どっか行っちゃうから真面目におつとめも出来やしない。
 髪も伸びて女の子らしくなったなぁと思うけど、ボクの赤ちゃんの頃の写真と見比べると、益々似てきたようにも思う。なんで父と母から、半々の遺伝子を受け継いでいるのに、こんなにも偏るのか不思議だ!
 そうそう、遺伝ってことで驚かされたことがありました。五日に、妹のゆかりが右膝の手術をしたけど、これがボクの右膝と場所や原因が一緒だったんです。
 ボクは今年の三月八日に、右膝の半月板除去手術をしました。ボクの半月板は生まれつき普通の人より大きかったらしく、それ故に傷つきやすくて、ある衝撃で裂けちゃった。
 手術は小さいカメラを挿入して、中の映像を見ながら、ペンチの様な機械で半月板の余計な部分をかじり取るという内容でした。順調に回復し、今ではスポーツもできます。
 五月頃か、ゆかりが右膝を痛めたのは聞いてたけど、夏になっても、どこが悪いのかハッキリ分からないと言うので、九月の中頃にボクが受診に行くと時に、ゆかりも診てもらう事にした。病院は奈良市街にある形成外科病院で、先生もその筋では名医と言われる人、診察も本当に丁寧な人です。
 ゆかりの診察には保護者という事で立ち会った。前の病院では靱帯を疑っていたみたいだけど、靱帯には異常なく、膝のお皿の可動範囲が広い上に、お皿の辺を痛がるから、皿の部分に原因があると思う。ただ、今の状態ではハッキリせず、カメラで中を覗いた結果、十月五日に診てもらうことになりました。
 その日の夕方に病院へ電話したら、ゆかりは寮の幹事先生の迎えで帰ったところだったけど、先生に「どうでした?」と尋ねると先生は「やっぱり兄妹だね!君と全く一緒だったよ」とおっしゃった。話によると、皿には異常がなく、半月板がボクと同じ形をしていて、同じような傷付き方をしていたらしく、同じような手術を施したそうです。
 ボクら兄弟姉妹は、比較的似ていると言われる事が多いですが、そんなとこまでもか!?とビックリ。お母さんは「兄妹だからといって、そんなとこまで似なくていいのに」と冗談交じりに言ってたみたいだけど、似なくてもいい所を似せて、しかも、近い時期に身上になるという事からも、神様の思惑と思案しないといけないんだと思います。・・・が、どういう事なんだろう??