いじめ

 「陽気」二月号に娘のいじめで悩んでいる方の相談が載っていました。回答された先生は「子供を守るのは目には見えない《徳》である。」事を答えておられました。
 私はこれまで夫婦仲が悪いといじめに遭うと聞かせてもらった事があります。でも一概にそれは言えないなぁと感じていて、今回読ませて頂き納得しました。人間誰しも持って生まれた因縁があり、徳がある。親が幼いときにわが子に積ませた徳は大人になって守ってもらうだけではなく、今現在でもお守り頂けるものになるの。お下がりを身につけさせる、食べもの道具を粗末にさせない、おつとめ、ひのきしん、御供。親が子供のための積む陰徳だけではなく本人に通らせる道によっても変わってくるのだとおもいました。ですが何はともあれまず親が「この子にこんな事が起こってきたお陰で私の心を反省させて下さった、あぁありがたいことや」喜ぶことが肝心だそうです。
 これにつけてですが先日テレビでお母さんが「小学生の娘がバレンタインデーに今まで貯めたお年玉等のお小遣いで5800円のチョコレートを好きな男の子にあげたいと言っている。止めさせるべき?」と相談がありました。コメンテーターの方々は「小学生にそれは高すぎる。」とか「自分で貯めたお金だからいいんじゃないか、それが300円であっても5800円であっても。あとでもったいなかったと思うのは自分だから。」とありました。
 私が子供のころお年玉を皆さんから頂き、貯まると親が取りにきてどなたかのお年玉に換わる。というサイクルに疑問を持ち「なぜ、私がもらったお年玉をまた持っていくのか」訊いた事があります。父は「お前たちは親の徳でお年玉を頂いているのだ。」と一言言いました。この言葉がとても胸に残っていて「自分は何一つしていない、親が良い関係を築き、その上でお年玉をあげようと思ってくれたから頂けたのだなぁ。」と高校生の頃に自分なりに解釈したのを覚えています。金額ではなくそもそもお金の意味をしっかり伝える事が大切なのではないかと思います。
 また最近は「いただきます。」も死語になりつつあるとニュースで読みました。ある小学校の保護者が、『給食費を払っているのだから、うちの子どもにいただきますと言わせないでほしい』とクレームをつけたという話もあるそうです。「お金を払った分、食べて当たり前」と考えているからなのかもしれません。そこで紹介されていた絵本がありました。ハンバーグの表紙で谷川俊太郎/詩、塚本やすし/絵の本です。タイトルは『しんでくれた』です。死んでくれたのは牛というお話だそうです。
 食べ物への感謝の心。目には見えないものほど大切なものが沢山あるのだなと改めて感じました。