丁度よい御守護

 本当にもうすぐ夏が来るのかなと思うような、涼しい日が続いていたかと思えば、あの豪雨災害。基準をはるかに超える規模で起きる様な甚大な災害、被害が発生する恐れがある時に発令される、特別警報。それは一府十県に及び、大変な爪痕を残して行きました。その直後から高温注意報が連日発令され、熱中症により、命を落とされる方も居られて、一体どうなってしまうのかと恐ろしい気持ちになります。
 前にも書いたことがありますが、「丁度よい御守護」というお話をよく思い出します。天候の上から言えば、私たちが子供時代、三十年から四十年くらい前までの天候は本当に丁度良かったと。朝と夕方はちゃんと涼しく、日中は暑くても三十度超えることはあまりなく、ゲリラ豪雨ではない夕立や、にわか雨があり、しとしと降り続く梅雨の時期もあり。夏ではこんな感じだったように思います。夏でも冬でも一時の間に、一か月分の雨や雪が一か所に降り続くなどということは、本当にありませんでした。しかし、近年はよくこの言葉を耳にします。
 丁度よく雨が降って、丁度よく日が差し、丁度よく気候が移り変わっていくことは、決して当たり前ではなく、どんなに人間の能力が優れていっても、素晴らしい発明品が生まれても、自然の力の前では無力で、突然の災害にもただ通り過ぎるのを待つだけなのですよね。
 この世は、火と水の調和の中で出来ているとも聞かせていただきます。 
 火は物を温め、光を与えて周囲を明るくし、誰に対しても隔てなく、水気とぬくみのバランスが保たれた心。
 水は低きに流れるやさしい心。相手に合わせる素直な心。道理道筋を通す冷静な心。(婦人会山陰支部冊子より)
 人間の体も様々なバランスが崩れると、横になって休まなくてはならなくなります。自然界もバランスが崩れると、大変なことにつながります。
 私たち一人一人が今一度「心づかい」と自然の有難さを見直して、低く温かい心でお互い譲り合いながら調和を作り、感謝を持って暮らす事が大事なのかもしれません。