忘れること忘れないこと

 やあ、みなさん、この前まで、「暑い暑い」とうなだれていたのに、もうメッキリ寒くなっちゃいましたね。また、今年は台風も多かった。でも人間っていうのは、すぐ忘れちゃうんだよね。だから、来年になったら、平成30年は大変暑かった。台風が多かったっていう事実もすぐ忘れてしまうんじゃないかなと思うんだ。
 ところで、我々は、日々お道の教えを聞いているよね。だから、神様の教えやご守護を忘れるってことはいけない。でも、すぐ忘れたほうがいい事柄もあるんだよ。なんだと思う。そう、人に与えた恩というのは、すぐにでも忘れたほうがいいんだ。
 衣類にしみついた汗や埃をとるには、湯や水で洗うよね。でも、もし湯がくっついて乾かなかったらどうかな?そんな物、着れないよね。用をすましたら消えるところに値打ちがあるんだ。人に恩を施しても、速やかに忘れるのがいいのであって、5年も10年もしつこく覚えていて、あの時こうしてやったのに、などと言ったり思ったりするのはマイナスの極みなんだね。
 与えた恩はさっと忘れたらいいんだ。風呂から出ても、湯がいつまでもくっついていたら不愉快だろ~。それに対して受けた恩は、どんな小さなことでも忘れぬこと。こういう人生観を確立して実行してさえおれば、頭は常ね晴れ晴れしてスッキリすること間違いなしだと思うよ。
 五音はご恩に通じると聞かしてもらったことがあるけど、私たちが毎日つかってる言葉、母音のあいうえお五音は、ご恩に感謝することに使うことが大切なんだよね。天地のご恩、父母のご恩、隣人、周囲のご恩に感謝して、たたえていく内容のほうがふさわしい五音の使い方で喜びを広げることが大切だね。切り口上、捨て言葉、非難、中傷、陰口を使うのはノーグッドだよ。
 言葉のケチは不要だよ。かしこい音色、心理に基づく音声を惜しみなく出し、周囲を喜ばすことが、陽気に治まる理につながるんだよね。
 私たちの生活は恩のネットワークで成り立っているんだよね。たすけ合いともいうよね。恩に感じ、人に与えた恩はケロリと忘れる。こういう記憶の使い方をするのがこのネットワークの上手な渡り方ってことだよね。
 ところで今年の冬は寒いかな?夏が暑かったといって冬は安心ってことは無いよね。年末に向け、お互いに穏やかな時候であることをお祈りしておくね。