をやの匂い

ゴビ「博士、ブルドッグの警察犬って見たことないですね。」
博士「そうじゃな。」
ゴビ「なぜ、いないんでしょうかね?」
博士「う~む、犬も種類によって嗅覚が違うからじゃろうね。」
ゴビ「そうなんですか?」
博士「犬の優れた嗅覚は、長い鼻腔のおかげなんじゃ。しかも、内部の壁が複雑にひだを作っているため、鼻腔内の嗅神経が人と比べてめっちゃんこ多いんだ。嗅細胞が多いものになると人間の100万倍もあったりするんだよ。」
ゴビ「そんなに違うんですか?」
博士「しかし、ブルドッグやパグなどは犬の中でもハナペチャで鼻腔が短いため、嗅覚も劣ってしまうわけなんだな。」
ゴビ「な~るほど」
博士「ところでゴビちゃん、お道のにをいのほうは、しっかりかけておるかい?」
ゴビ「う~ん、そこなんですよね。」
博士「というと?」
ゴビ「博士、にをいがけとは、ならん中をおたすけいただいて、しみじみ親神様のありがたい親心を悟らせてもらい、じっとしておられない喜びをだれかれなしに伝えずにはおれないで、おのずと形に表れてくるものですよね?」
博士「その通りじゃよ。」
ゴビ「にをいがけが大事なのはわかるんですが、僕の場合、何がなしにお道にお引き寄せいただいたんで、そこまでの感慨が溢れてこないような、まだ、うつしてゆく匂いが無いようなきがするんですが…」
博士「う~ん、言わんとしていることは分かるよ。」
ゴビ「そうですか?」
博士「ゴビちゃん、赤ちゃんの匂いってどんなにおいがするかね?」
ゴビ「そうですね、僕の記憶が正しければ、お母さんのお乳の匂いがしたような…」
博士「ピンポーン!」
ゴビ「正解ですか!」
博士「母親の乳房にすがる赤ん坊には、必ず母乳の匂いがするように、ただ一筋に親神様を慕っておすがりする者には、をやの匂いが自然と身についているものなんだよ。」
ゴビ「ふむふむ」
博士「親を慕う心、おすがりする心をしっかり培っていけば、匂いが身に染みつい
て、自然と周囲へのにをいがけとなるってことなんだね。」