つり合う事

クマ「博士、この前『鹿肉にはイタリアワインと島根ワインどっちが合うか』って聞かれたんですよ」
博士「ほう」
クマ「困りました。まず、鹿肉はあんまり食べたこと無いし、ワインの味もよく分からないし、島根ワインの特徴なんて何も知らないし、こんな知らない事づくしの質問は困りますよ。」
博士「なるほどね。たしかにそんな偏った質問はちょっと困るね。」
クマ「日本酒が合うかワインが合うかなら、多少はコメントができたかも。」
博士「まあ、それなら自分の好みを言えばいいからね。」
クマ「料理の組み合わせに、合うもの合わないものってありますよね。ご飯と牛乳は合わない。」
博士「そうだね。」
クマ「この料理には何が合うかっていうのは、料理をおいしく食べるキーポイントなんですね。」
博士「それじゃ言おうか。人間の幸せのキーポイントもつり合いにあるんだよ。」
クマ「えっ、人間の幸せも!?」
博士「そう、稲の苗を植える時、麦の種をまく時、神様の定めた時のつり合いをはずしたら実りはないよね。」
クマ「そうですよね。」
博士「つり合う事が幸せと恵みにつながるものなんだよ。」
クマ「そうだったんですか。」
博士「米を取り入れてすぐ稲の苗を植えたら枯れるより他はないよね。」
クマ「たしかに。そんな事する人はいないですね。」
博士「夫婦揃うてひのきしん 二人の心をあわせいよ とも仰せられてある」
クマ「はい」
博士「主人だけがぜいたくをする、家内が勝手気ままの通り方をする、親子が勝手な事をする。こんなつり合いのはずれた家庭に神様の働きがあると思うかい?クマモン。」
クマ「うん、無いような気がします。」
博士「千円しか持たないのに二千円の物を欲しがる。こんなつり合いのはずれた心使いは神様に受け取って頂けない。つり合いのとれた人の心使い行いとは、今日の自分の生活環境に感謝し、現在の与えられた境遇に満足する事であるといえるな。」
クマ「なるほど、分かりました。人間と同じように、親神様も、つり合いをとても大事にされるいる。つり合いのとれた事が大好きでなんですね。」